歯の欠損と補綴方法

 

 歯が抜けてなくなると、抜けた歯の本数や場所によっては食べにくくなったり、しゃべりにくくなったりしますし、前歯の場合は見栄えにも影響することがあります。そのため、補綴処置によって抜けた歯の部分を人工の歯で修復することが必要になります。その際、前回にも述べましたが、固定式か可撤式の方法のどちらかを選択することになります。
  固定式の補綴方法は抜けた歯の本数や場所によっては出来ないこともあります。というのは、固定式は両側の歯を土台に橋渡し(ブリッジ)するため、土台の歯の負担が大きくなります。ですから、抜けた歯の本数が多くなれば過重負担となり、土台の歯が力に対して耐えられなくなります。
    一方、可撤式の方法は出し入れする「入れ歯」のことで、それには馬の背に載せる蔵に似た「床」という部分があり、歯が抜けた後の歯肉の上に「床」を載せて使うのでかむ力は主に歯肉にかかります。この場合は抜けた歯の本数が多くても「床」の面積を広げることで対応できます。ただ、この「部分入れ歯」はそれを支えるために残った歯にバネ(クラスプ)をかける必要があります。
  また、一般的な固定式の他に、近年技術的にも進歩しているインプラントの方法があります。これは、歯が抜けてなくなった場所の顎の骨に人工の歯根(現在はチタン材料が最も多く使われている)を手術によって埋め込む方法です。利点はブリッジのように前後の歯を削る必要がなく、成功すれば違和感なくかめます。成否はあごの骨の状態に左右され、適応かどうかの診断が大変重要になります。


(平成20年3月8日 毎日新聞掲載)