補綴治療法

 

 先月は「差し歯」や「かぶせ」や「入れ歯」の治療を補綴ということを簡単にお話ししました。今月と来月は補綴の方法についてお話しします。
  補綴方法には大きく分けて固定式と可撤式があります。固定式は土台となる歯の周囲を削ってその上に人工の冠をかぶせる方法です。セメントを使って、とれないようにくっつけるので固定式と言います。「差し歯」や「かぶせ」がそれにあたります。また、歯が何本かなくなった場合でも、両側に歯があればそれを土台にして抜けた部分に橋渡しをし、固定します。これをブリッジといいます。
  一方、可撤式は出し入れする「入れ歯」のことで、歯の欠損に使います。何本か歯が残っている場合は「部分入れ歯」といい、入れ歯の維持・安定のため残った歯にバネ(クラスプ)をかけます。全ての歯がなくなった場合は「総入れ歯」といい、歯肉の上に載せて使います。
    どの方法を採用するかは診査・診断のうえ提案し、患者さんと話し合って決定します。その際、よく患者さんから「どれくらい持ちますか?」と聞かれることがありますが、補綴した後も良い状態を長く保つためには歯のみならず、歯周組織が健全であることが前提となります。なぜなら、歯は歯周組織に支えられているため、歯周組織が炎症によって破壊されると歯は支えを失い、ぐらぐらと動いてきます。
  従って、補綴する前には必ず歯石や歯垢を除去するなど(歯周治療)して歯周組織を良い状態にしておく必要があり、補綴後も良い状態を保つためにはメンテナンスが必要となります。


(平成20年2月8日 毎日新聞掲載)