補綴って何?

 

 今回から3回にわたって「補綴」についてお話しさせていただきます。
  「補綴」は歯科関係者には一般的な用語ですが、みなさんには聞き慣れない言葉でしょう。歯科治療における補綴とは、歯が欠けたり、なくなった場合に冠(クラウン)や義歯などの人工物で本来の葉や歯並びの形に戻し、機能を回復させる治療のことをいいます。つまり、一般的には、「差し歯」や「かぶせ」や「入れ歯」などと呼ばれる人工物を使うもので、みなさんにも非常になじみの深い歯科治療法です。古くは紀元前2000年~1000年のエトルリア人の墓地から発掘された入れ歯があります。日本でも奈良時代から入れ歯があったといわれていますので、昔から行われてきた治療法と言えます。
    歯が欠けたり失われる主な原因はむし歯(う蝕症)、歯周病、けが(外傷)などです。いずれの場合もそのまま放置すると次第に歯が失われ、噛めなくなったり、しゃべりにくくなったりして、本来のお口の正常な働きが阻害されます。また、歯並びが悪くなったり歯の色が悪くなったりして、見栄え(審美性)にも影響します。歯の痛みを伴うことも少なくありません。
  それらの影響は口の中だけにとどまらず、あごの関節や消化器官、他の全身の病気に及ぶこともあります。「歯がなくなったぐらいで」と侮ることはできません。ですから、問題が生じたら、早めに補綴治療をすることが必要です。かかりつけの先生にご相談のうえ、適切な処置を受けていただくことをお勧めします。


(平成20年1月8日 毎日新聞掲載)