歯垢=バイオフィルム

 

 むし歯の歯周病も歯垢(デンタルプラーク)が原因で起こる口の中の病気です。歯垢は細菌の塊ですが、単にたくさんの細菌が集まっているのではなく、粘着性のある膜でおおわれているバイオフィルムという構造を持っています。
  歯垢は、浮遊していた細菌が歯の表面に付着し次第に増えて形成されていきます。その過程で自ら産生した糖分(多糖体)の被覆内でさらに増殖、成熟していきます。この多糖体がバリアーの役目をして、いわば細菌を守っているような構造がバイオフィルムです。
   このため、バイオフィルムの中の細菌は白血球の攻撃も容易に受けません。さらに、抗菌剤のような薬もバイオフィルムの中まで浸透せず、効果を発揮することができません。ですから歯垢に対しては、抗菌剤、洗口剤だけでは効果がほとんどありません。現在のところ、細菌バイオフィルムを除去するのに最も効果的なのは、ブラシなどで擦り取るなど機械的方法しかありません。そこで、薬剤に頼るのではなく家庭のブラッシングが重要になるのです。また、歯科専門家による、PMTCと呼ばれている歯面清掃も効果の高い方法です。一度、機械的手段で歯垢がある程度除去された後に抗菌剤や洗口剤などを使用すると、再び歯垢が形成されるのを防ぐ効果を発揮します。 
  「歯垢=バイオフィルム」ということを理解していただき、むし歯や歯周病の効果的な予防方法についても、歯科医院でご相談ください。


(平成21年8月8日 毎日新聞掲載)